4月27日にエリート女子、U23女子のロードレースが行われた。タシケントの中心を1周半した後、そこからほぼ平坦のコースを走りラスト9kmが登りっぱなしの112.8kmのコースで、最後の登り区間で勝負が決まることが予想された。
日本チームはエリートには樫木祥子、牧瀬翼、金子広美、唐見実世子の4名が出走した。また同時スタートながら別レースというスタイルでU23女子も行なわれ、梶原悠未が1名のみで走る。この大会でのエリート女子優勝国にはUCIランキングでオリンピック枠が取れなかった場合には1枠与えられる。そのため優勝候補筆頭のオリンピック2大会連続のメダリストZABELINSKAYA Olgaを擁する地元ウズベキスタンが登り口まで集団コントロールすることが想定された。ZABELINSKAYAと日本の選手やほかの国の選手との力差は大きく、また展開で結果が左右するコースではないためより多くのUCIポイントを獲得できるよう一つでも上の順位に複数名入れることを狙った。
2つのカテゴリーが同時にレースを行なうということで、最大1チーム8名参加のチームもあり、通常のレースと異なり大人数のチームと少人数のチームでのレースとなった。
スタートしてすぐにカザフスタンと韓国が執拗にアタックをかけるが、カザフスタン以外は真剣に逃げる意思を感じず、どのアタックも10秒以上の差が広がらない。集団は予想通りウズベキスタンがコントロールして逃げをいかせない。日本チームは平坦区間で荒れた展開になる場合は梶原に平坦を任せる予定であったが力を使わずレースが進んでいく。レース中盤からはアタックするチームがベトナム、チャイニーズタイペイに変わるが、ウズベキスタンが余裕をもって30秒ほどの差でコントロールする。レースは予想通りラスト9kmの登りで決まることとなった。
登り区間は前半4kmほどの勾配がきつく、後半は勾配が緩くなる。登り始めてから500mもしないうちにZABELINSKAYAがペースを上げるとついていけたのは韓国のNAのみ。第2集団は中国2名、イランと樫木の4名となる。その後ろに牧瀬、唐見、金子、梶原らが他国のクライマーらと続く。先頭では2kmもいかないうちにZABELINSKAYAが独走を開始する。中盤までが勾配がきつく、向かい風、横風も強く吹いていたがZABELINSKAYAは一気にタイム差を40秒以上に広げる。樫木を含む4名の集団もばらばらとなり、そこからイランが抜け出し、樫木が単独の4番手で登る。後半勾配が緩くなるところでまた一つになる可能性もあったが、各選手ほぼ同じペースで登りそのままの着順でゴールすることとなった。アジア選手権は入賞選手にもポイントが高いため最後まで熾烈な着順争いが続き、エリート女子では牧瀬が6位、唐見が9位、金子が11位となった。
レース前の予想通り昨年のナショナル選手権後にロシアから国籍替えを行なったZABELINSKAYAが圧勝した。オーバーペースにならないように登った樫木はイランの選手と3位争いをしたが、きつい勾配で離された差を埋められなかったが4位に入った。
U23に出走した梶原は勾配のきつい登り区間で苦戦を予想していたが、素晴らしい登坂力を見せてエリート女子でも8位の順位でゴールしU23カテゴリーで優勝した。梶原はジュニアからロードトラックを含めて16個目のアジア選手権金メダル獲得となった。
エリート女子ロード
1 ZABELINSKAYA Olga(ウズベキスタン) 3時間 9分5秒
2 NA Ahreum (韓国) 47秒差
3 YLAZDANI Somayeh(イラン) 59秒差
4 樫木祥子(日本) 1分16秒差
6 牧瀬翼(日本) 1分43秒差
9 唐見実世子(日本) 2分1秒差
11 金子広美(日本) 2分25秒差
U23女子ロード
1 梶原悠未 (日本) 3時間11分6秒
2 NGUYEN Thi Thu Mai(ベトナム) 57秒差
3 SARKULOVA Alina(カザフスタン) 1分46秒差
JCF強化コーチ 柿木孝之